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「タブロウ・ゲート」

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「タブロウ・ゲート」鈴木理華 著(秋田書店 プリンセスコミックス)
 写真は、第1巻と最新の第11巻。第11巻のカバーイラストは、第1巻のセルフカバー(と言うかセルフパロディと言うか)になっている。今後このパターンでいくのかしら?

 この作品との出合いは「プリンセスGOLD」に載ったepisodeⅡ。その前に角川書店の雑誌にも連載していたけれど、雑誌そのものの廃刊で中断。その分も秋田書店からコミックスになって出ていますが、設定がちょっと違っていて、これがその続きというわけではありません。
 鈴木理華さんはイラストレーターでもあるので、絵の美しさにまず惚れました。そしてストーリーも、大筋はシリアスなファンタジーなのですが、「コロコロ」(小学館)漫画並みのぶっ飛ばしギャグはあるわ、真剣なバトルはあるわ、非常に変だけど魅力的な登場人物がてんこ盛りだわ、とにかく飽きません。それに、はっとするような台詞がさりげなく語られたりして、中身の掘り下げ方にも満足しています。

 主人公「氷川サツキ」は、只1人の家族(血はつながってないけど)から存在の価値を否定されるという虐待を受け続けて育った為、自分に自信が持てず前に進めない男子高校生。
 対してヒロイン(多分(^^ゞ)「レディ」は、一分の迷いもなく目的に向かって突き進む、10歳くらいなのに大人のようなしっかりした心を持った、心身ともに強すぎるくらい強い女の子。でも、結構優しい面もあるのだこれが。
 で、もう1人、謎の美少女「イレイズ」綴りは英語のeraseと一緒。この子もサツキと同じく迷いがあって進めなかった。

 タロットカードが描かれた絵板「タブレット」から、それぞれの絵の住人「タブロウ」を「はがす」と、現実の世界にタブロウが出てくる。「タブレット管理人」だけがタブロウをはがせる。出てきたタブロウは人間型が多い。明らかに人型じゃないのもいるけど。本来、管理人は1代に1人だけのはずなのに、当代はなぜかレディとイレイズとの2人が存在し、おまけになぜかサツキまでもがはがすことが出来るという異常事態。しかも出てくるタブロウは、はがした人間が持つイメージによって性格が異なるので、登場人物がすごく多い気がする。

 で、「家出」してしまったタブロウ達を回収しなきゃならないし、タブレットの争奪戦はあるし、○○を殺めて自分が人間になることを目論むタブロウはいるし、サツキは自分の迷いと対峙する必要があるし、イレイズは最愛のタブロウを守らなきゃならないし…。
 こんなシリアス本筋のくせに、レディとレディ版太陽はぶっ飛ばしギャグを連発するアホ主従だわ、隠者と悪魔は幼稚園状態だわ、魔術師は露出過多のナイスバディ美女だわ、それを喜ぶエロねずみは出てくるわ、正義と審判は宮崎駿作品のパロディをやる漫才コンビだわ、無意味に脱いでダンスでキメる派手男はいるわ、高校の理事長がマッチョでダンディな泣き虫だわ…。かわいい女の子型タブロウもいるけど中身は要注意だったり。
 だから読んでいて、真面目に考えさせられたり、とにかく爆笑したり、と飽きません。

 第11巻で遂にイレイズが危険な決断をしたけれど、続く「プリンセス」(現在の掲載誌)11月号掲載分ではサツキもやっと前へ進む決心をした。このラスト3ページ分が久々の素敵な展開で、目がハートになりました。サツキ頑張れ!

 登場人物紹介というか、前のプリンセスの付録の栞。敢えてこういうバックで撮ってみた。

tableaugate_2.jpg

 サツキ版月(本名Eliphas)が好きだ。
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