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センダックの「かいじゅうたちのいるところ」に関して

 あの本を心底怖がった子がいて遂に本を焼くことでやっと落ち着いた、という話を昔聞いたが、今でも出どころを知りたいと思っている。

 絵そのものが怖かったと言うなら仕方ない。そういう方は仲間内にもいた。でもそうでないなら、大人の読んでやり方がおかしかったんじゃないか?
 主人公マックスがかいじゅうたちから、おれ達は食べちゃいたいほどお前が好きなんだ、食べてやるから行かないで、と言われ「そんなのいやだ!」と言うセリフを「そんなのいやだ~(泣)」と読んだ人がいたのを聞いて思った。

 絵をよく見てほしい。
 マックスはかいじゅうたちに対して常に優位にいる。「そんなのいやだ」も怖がったのではなく、身勝手なかいじゅうたちの言い分に腹を立てた感じだ。そしてさっさと船に乗り、「さよなら」と余裕の表情で手を振って船出する。食べられそうになって命からがら逃げだすのではない。

 絵本だぞ。絵をよく見てくれよ。言葉よりも雄弁に語っているぞ。

 まあ、センダックの絵自体が、ある種の不気味をまとっていることは認める。

薮内正幸美術館館長講演会&原画展

薮内正幸美術館 館長 藪内竜太氏講演会
「好きこそものの上手なれ ~ 動物画家 薮内正幸」

 動物画家、絵本作家の薮内正幸さんの原画展と、ご子息の藪内竜太さんの講演会に行ってきました。

 お父様の幼少のころから、動物画家、絵本作家となるまでの経緯をお話くださったのですが、大変感銘を受けました。絵が好きな人、これから進路を決める若い人、子どもや若い人と接する機会のある人、と言ったらほとんどすべての人に当てはまりそうですが、是非たくさんの人に聴いていただきたい。そう思わせる内容でした。

 好きなことだからこそ一所懸命に取り組めて、一所懸命取り組めば上達するということに納得。ほかの絵を描く人たちの間でも、もっと上手に描くことを考えながらとにかくたくさん描く、というのが上達する方法だと言われています。一所懸命に取り組めば、思わぬ出会いももたらされ、上達すればおのずと、そこから道が開けたりもするのですね。

 その道の権威である学者さんが、中学生の質問に真摯に向き合ってくれた話を伺い、どんな相手に対しても真摯に向き合うことの大切さを考えました。私も読み聞かせで会う子ども達に、常に同じ目線で接することを心掛けてきましたが、子どもに対しても大人に対しても、真摯に向き合うことの大切さを改めて思いました。

 国立科学博物館の骨格標本やはく製を、すべてスケッチした画家なんて薮内さんだけでしょう。当代随一の動物画家が、子ども向けの絵本を手掛けていたのです。子どもにこそ本物を、という出版社の気迫も感じられます。絵本をまた違った目で見るようになりました。

 また、福音館書店の社員時代に絵本タイトルのレタリングもなさっていたり、「かもさんおとおり」(ロバート・マックロスキー:文・絵 わたなべ しげお:訳 福音館書店)の最後のページにある地図と、「エルマーと16ぴきのりゅう」(ルース・スタイルス・ガネット:作 ルース・クリスマン・ガネット:絵 わたなべ しげお:訳 子どもの本研究会:編集 福音館書店)の旧版の見返しの絵とが、作者のタッチをまねた薮内さんの手によるものだったというのは驚きでした。「エルマー…」の編集者は、なんと奥様。「かもさんおとおり」の地図は、作者が描いたように見えるけどなんだかちょっと不思議な気がしていたのでした。

 私は絵本作家として知るよりも前に、野鳥の画家として知ったのですが、広辞苑(岩波書店)をお持ちの方は開いてみてください。挿画の内、動物と鳥が薮内さんの絵です。また、なぜか私が持っている昔の記念切手の「アホウドリ」も、薮内さんの絵だったことを今回知りました。

 野鳥の画家として知ったきっかけは、サントリーのポスターや特別ラベル、日本野鳥の会の出版物などからでしたが、今回、日本野鳥の会山形県支部が後援になってくださり、会員の方々もいらしていました。

 原画展は17日(日)まで開催しています。印刷物では再現しきれない細かな描写を拝見できます。とてもとても精緻で美しいです。使われていた道具も展示されています。山形市立図書館 2階 展示ホールです。
「山形市立図書館HP」

 そして、竜太氏も驚かれていましたが、ちょうど1年前に仙台で講演を聴いて、是非山形でも開催してほしいと周囲に働きかけて1年で実現してしまった、図書館ボランティアの何某様。その探求心と熱意と行動力には脱帽です。見習わねばね。はっきり言って私、最初にこの要望を知った時には、なに無茶なこと言ってんの?と思いました。失礼しました。

 かつて薮内正幸美術館が開館した時に、実家にいた頃なら絶対すぐに行っていたのに、と思いました。昔、山梨県内をいろいろと徘徊しておりましたので。このような機会を作っていただき、とてもありがたく思っております。

「薮内正幸美術館」

恐ろしい話を聞いた

 昨夜は児童書関連の友達と夕食会。

 恐ろしい話を聞いた。
「都会の学校では、読み聞かせが成立しなくなっている」

 はい?
 読み手が確保できないのかと思いきや、さにあらず。聴いていられない子が増えたから。
 は?
 あるかたによれば、都会で起きた現象は大抵10年後に山形で起きる、とか。

 多分、都会の小学校でも今までと同じように読み聞かせをしているはず。
 その前の幼稚園・保育園でも、今までと同じようにやっているはず。
 同じことをしているにもかかわらず、聴けない子が増えた?
 ならば、家庭で変化が起きているということ?
 思い当たる節はあるよね。何年か前から新聞やニュースで話題になっていること…。その影響が目に見えてきたということ?

 これを聞いて、みんながみんな読書を好きになる必要はないでしょ?って思います? そんな個人の嗜好の問題を言っているんじゃありません。
 多分、多くの小学校での読み聞かせで、絵本が読まれていると思う。(私は意識して3年生以上では絵本以外を読んでいたけど)
 絵本でさえ1冊終わるまで見ていられないってことは、授業はどうなっちゃうの? 先生たちのご苦労に考えが及ぶよね。
 その子たちがそのまま成長して、上の学校を経て社会人になっていく。そして親にもなる。
 これがどれだけ怖いことかわかる?

 私が読み聞かせの現場を離れて2年ほどになるけど、当時言われていたのは、小学生の読書量は増えたが中学生以上は変わりがない、ということだった。
 小学校での読み聞かせに加え、自治体による赤ちゃんからのブックスタート事業も増え、小学生の読書量は大幅に増えた。けれども、中学生になった途端、本を読まなくなる子が増える。結局、それ以上の年齢では、読書推進事業が始まる前と後とで大差がない。いかにして、上の年齢の子たちに本を薦めていくか?という話題が出ていた。
 それがどうよ?それどころじゃなくなったじゃない。

横山和江さんインタビュー

 友人の児童書翻訳者 横山和江さんのインタビューが、翻訳の専門学校のサイトに載りました。横山さんは、この学校のオンライン講座の講師もなさっています。
 最新訳書「ノラのボクが、家ネコになるまで」 ヤスミン・スロヴェック:作(文研出版)についての話や、持ち込みのポイントなども答えられています。

「ホンヤクこぼれ話 第125回 (フェロー・アカデミー)」

児童書読書会(7)

「いいにおいのおならをうるおとこ」ジル・ビズエルヌ:文 ブルーノ・エッツ:絵 ふしみ みさを:訳(ロクリン社)
「天才こども建築家、世界を救う」アンドレア・ベイティー:作 デイヴィッド・ロバーツ:絵 鴨志田 恵:訳(エクスナレッジ)
「カエルのえいゆう サー・リリパッド」アンナ・ケンプ:作 サラ・オギルヴィー:絵 たなか あきこ:訳(フレーベル館)
「調べよう! 世界の本屋さん ~本屋さんのすべてがわかる本 1~」秋田 喜代美:監修 稲葉 茂勝:文(ミネルヴァ書房)
「夢 夏目漱石・芥川龍之介ほか ~文豪の怪談ジュニアセレクション~」東 雅夫:編 山科 理絵:絵(汐文社)
「獣 太宰治・宮沢賢治ほか ~文豪の怪談ジュニアセレクション~」東 雅夫:編 中川 学:絵(汐文社)
「恋 川端康成・江戸川乱歩ほか ~文豪の怪談ジュニアセレクション~」東 雅夫:編 谷川 千佳:絵(汐文社)
「仙台真田氏物語 ~幸村の遺志を守った娘、阿梅~」堀米 薫:著 大矢 正和:絵(くもん出版)
「『守り人』のすべて ~『守り人』シリーズ完全ガイド~増補改訂版」上橋菜穂子:著 偕成社編集部:編(偕成社)

 文豪の怪談を集めるとは、意外な切り口でした。装丁も素敵な本です。
 本屋さんについての本も、私は実家が本屋だったから流通のことは見て知っていましたが、そうでなければ知らないことだらけだよね、と話した興味深い内容です。
 大河ドラマ「真田丸」のラストで伊達家に託された幸村の遺児たちのその後を描いた本とか、今放送中の大河ファンタジー「精霊の守り人」の関連本とか。「精霊の守り人」のドラマは、昨年の第1シーズンよりも今の第2シーズンのほうが私ははまっています。

「ピーターラビット展」に行ってきた

「ビアトリクス・ポター生誕150周年 ピーターラビット展」に行ってきました。

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 昔、NHKでポターのドキュメンタリー番組があったのを見て以来ファンになり、福音館書店から出ている絵本全巻をそろえました。その他にもうちには英語版のミニ本セットがなぜかあったり、キャラクター雑貨もあったり。まだ絵本の活動をする前、独身の頃から大好きでした。

 似たような、動物を擬人化した絵本は世に沢山ありますが、ポターの絵だけが本物の動物の骨格に沿った姿をしているのです。ポターの自然に対する優れた観察眼と、卓越した絵の技術は素晴らしいです。お話もピリッとした辛さを含んでいて、少し大きい子から大人まで受けるかも。

 この展覧会では、たくさんの原画を見ることができ、今まで知らなかったポターの家族の逸話なども紹介されています。お父様も弟さんも、絵の才能がおありだったのだな。

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左の缶ふたつはお菓子が入っています。
真ん中上のは前売り券限定グッズの絵皿。
右上のは小さいサイズの2ポケットのクリアファイル。
右下のが絵本の装丁を活かした図録。
下に敷いているのはルートートの製品です。

「ビアトリクス・ポター生誕150周年 ピーターラビット展」

クリスマス絵本の紹介記事

 今日の山形新聞から。

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2016年 第19回やまねこ賞 絵本部門

「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」が、「2016年 第19回やまねこ賞 絵本部門」の大賞を受賞しました!

 この絵本についてはこちらに書きました。

 やまねこ賞は「やまねこ翻訳クラブ」によって選ばれた優れた邦訳児童書に贈られる賞です。

 翻訳者の横山さん、おめでとうございます。(^-^)

「まなびあテラス」に行ってきた

 山形県東根市に今月オープンした複合施設「まなびあテラス」に行ってきました。
 こちらの市民ギャラリーで来年1月9日まで開かれている「いしいしんじの やまがたりトショカン」に、「子どもの頃好きだった本」を参加させていただきましたので、その展示を見に。

 9月に開催された「山形ビエンナーレ2016」の続きの展示会なので、ビエンナーレでの展示品もあります。展示の仕方がとても素敵です。

yamagatari_1.jpg   yamagatari_2.jpg   yamagatari_3.jpg

 図書館も見てきましたが、新しいからきれいでとても明るくて素敵な場所です。児童書コーナーもいい雰囲気でした。

 カフェもあるから食事の時間を気にせず行けるのもいいですね。うちからはちょっと遠いので頻繁に行く所ではありませんが。(^^ゞ

「いしいしんじの やまがたりトショカン」

児童書読書会(6)

 今頃ですが、実は6月の記録…。ただ書名を載せるだけってどうなのかと疑問を持ったのですが、後日の自分の為にも記録として載せておこうと思いました次第です。

「いもうとかいぎ」石黒 亜矢子:作(ビリケン出版)
「トルーシー・トルトルとトラ」ヘレン・スティーヴンズ:作 ふしみ みさを:訳(BL出版)
「ごはんのじかん」レベッカ・コッブ:作 おーなり 由子:訳(ポプラ社)
「ネコヅメのよる」町田 尚子:作(WAVE出版)
「ちっちゃいさん」イソ-ル:作 宇野 和美:訳(講談社)
「まよいが (えほん遠野物語)」柳田 国男:原作 京極 夏彦:文 近藤 薫美子:絵(汐文社)
「あなに」長谷川 集平:作(解放出版社)
「ふしぎなオルガン」リヒャルト・レアンダー:作 国松 孝二:訳(岩波少年文庫)
「最初の舞踏会 ホラー短編集3」平岡 敦:編,訳(岩波少年文庫)

「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」に行ってきた

guritogura20160824_1.jpg (撮影許可スポット)

 宮城県美術館で9月4日まで開催されている「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」を観てきました。

 平日だというのにお客さんが結構いました。まだ夏休み中?

 残念ながら私は育つ過程で「ぐりとぐら」に出合えませんでしたが、息子のお陰で子育て中に出合い、読み聞かせの活動の中でも親しむことができました。
 展覧会ではシリーズ7冊の全原画に加え、「いやいやえん」などの初期作品、ぐりぐらカレンダーやかるたなど関連本の原画や、グリとグラのお話が初めて載った貴重な「母の友」初版本もありました。
 そして作者のひとことが載った大きな絵本形のオブジェや、玉子形のナンバープレートなど、展示の仕方もとても素敵でした。

 収蔵品展の方でも太田大八さんの絵本原画が展示されていて、その内の1冊「びんぼうこびと」の原画の色の鮮やかさに驚きました。絵本でも色使いがとても綺麗だと思っていたのですが、原画の鮮やかさには本当に驚きました。
 宮城県美術館は、絵本原画を多数収蔵している美術館なのです。

「宮城県美術館 誕生50周年記念 ぐりとぐら展」

「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」

tobikirioisii.jpg
「300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート」エミリー・ジェンキンス:文 ソフィー・ブラッコール:絵 横山 和江:訳(あすなろ書房)

 友人の翻訳者、横山さんの最新訳書です。
 久々に、読み聞かせ用としてではなく、自分用に欲しいと思って購入した絵本です。

 帯の後ろ側には、
「1710年、イギリスのライム
 1810年、アメリカ・サウスカロライナ州チャールストン
 1910年、アメリカ・マサチューセッツ州ボストン
 2010年、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ
 4つの時代、4つの場所のおいしいブラックベリー・フールの作り方」
 と書かれています。

「フール」という言葉は、フランス語の「フーレ」(つぶす、押すの意)からきているのだそうです。

 それぞれの時代・場所で、親子がブラックベリー・フールというお菓子を作って食べるまでが描かれているのですが、どの時代の場面でも、このお菓子を食べる子どもたちはとても嬉しそうです。

 時代による材料の入手のしかたと使う道具の変遷や、その時代の社会状況もわかります。大きめのお子さんと一緒に読むときは、お子さんの年齢に合わせて、場面の説明もしてあげるといいかもしれません。

 巻末の、ブラックベリー・フールの作り方や、作者・画家からの言葉も是非お読みください。とても丁寧に作られた作品という印象を受けましたが、本当に丁寧に作られていたのでした。載ってはいませんが、横山さんも翻訳に際し、いろいろな資料をあたって勉強なさったそうです。その量がまた膨大で、他のお仕事も抱えながら、よくそんな時間があるものだと驚いてしまうほどでした。

 そしてどの家庭にも、共通するある物が置かれています。これもお菓子の作り方とともに伝わってきたのかしら…? (^-^)

プロフィール

龍華(略称るん)

Author:龍華(略称るん)
たま~に更新します。
読み聞かせの記録、贔屓にしているもの、季節ネタなど。
詳しくは「ご挨拶」を。

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